変額保険とは?特徴やメリット・デメリットは?基礎知識をやさしく解説!

変額保険とは
  • このページに掲載している保険商品の内容は、一般的と考えられる内容です。
    また、記事中で掲載している保険商品に関して、当社では取扱いのない保険商品もあります。
    各保険会社が取扱う保険商品の内容については、各保険会社へお問合せください。

変額保険という商品をご存知でしょうか。
変額保険は生命保険のひとつで、株や債券等での運用実績に応じて、受取れる保険金等の額が増減する保険です。
万一のときに備えながら、教育資金や老後資金を準備するために資産形成をしたいと考えている人なら、変額保険の活用を検討してみる価値がありそうです。
しかし、変額保険を検討するためには、特徴やメリット・デメリットをよく理解することが重要です。
この記事で、それぞれわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

※変額保険には死亡保険と個人年金保険がありますが、この記事では変額の死亡保険について解説します。また、解説の内容は保険料を月払や半年払、年払等(平準払)で払込むことを前提にしています。

この記事のポイント
  • 変額保険とは、万一のときの保障と資産形成をサポートする機能を兼ね備えた保険。
  • 変額保険は、死亡保険金・高度障害保険金や解約払戻金、満期保険金が運用実績に応じて増減するが、死亡保険金・高度障害保険金には最低保証がある。
  • 変額保険の加入に向いている人は、資産形成しながら保障も欲しい人や長期積立投資をしたい人など。
  • 変額保険の加入に向いていない人は、元本割れリスクを負いたくない人や短期間で資産運用したい人など。
【目次】

変額保険とは?

変額保険とは、万一のときに備えながら、株や債券、投資信託等で運用することにより、資産形成も期待できる商品です。
商品によって、保障期間に期限がある「有期型」と、保障が一生涯続く「終身型」があります。
まずは、変額保険のメリット・デメリットから知っていきましょう。

変額保険のメリット・デメリット

変額保険のメリット
変額保険には以下のようなメリットがあります。

  • 万一のときに備えられる
  • 資産形成が期待できる
  • 生命保険料控除が適用される

資産形成と聞くと、株式や債券、不動産等への投資をイメージする人も多いかもしれません。しかし、生命保険のなかにも資産形成に役立つ商品があり、そのひとつが変額保険です。
変額保険で受取れる保険金や解約払戻金の額は運用実績に応じて増減するため、運用実績がよければ、受取れる金額が増える可能性があります。
何に投資するかは加入時に契約者が決めますが、保険会社が用意したいくつかの選択肢のなかから選ぶ仕組みですので、投資に詳しくない人でも始めやすいというメリットもあります。
なお、変額保険も生命保険ですので、払込んだ保険料は生命保険料控除の対象になり、所得税や住民税の軽減に役立ちます。

リンク 生命保険料控除とは?控除額の計算方法や年末調整で役立つ知識を解説! インフレについての説明図
変額保険はインフレ対策にもなる場合があります。
インフレ、つまり物価が高くなると、それまで100円で買えていたものを買うのに、100円より多くのお金を支払う必要があります。
これは、お金の価値が下がっていることを意味します。

そのため、定額保険(保険金額等が契約時に決まっている保険)の場合、インフレに弱い側面があるといえます。これは、保険金等をインフレ時に受取ると、受取ったお金の価値が契約時から目減りしている可能性があるからです。
その点、変額保険の場合は、物価が上がっても、その分景気が良くなり運用実績が好調になれば、受取れる保険金等の額が増加する見込みがあるので、インフレ対策ができる可能性があります。

変額保険のデメリット
一方で、変額保険には以下のようなデメリットもあります。

  • 運用状況によっては元本割れのリスクがある
  • 諸費用がかかる

運用実績が不調の場合、受取額が減ることがあります。変額保険の満期保険金と解約払戻金は最低保証されないため、払込んだ保険料の総額より受取額が少ない「元本割れ」を起こす可能性もあります。
また、変額保険では、契約者が支払った保険料の運用にかかる費用や、保険契約の管理にかかる費用、後述する「基本保険金額」を最低保証するための費用等がかかります。

変額保険の保険金の仕組み

変額保険で受取れる保険金には、以下の3種類があります。

  • 死亡保険金:保険期間中に被保険者が死亡したときに受取れるもの
  • 高度障害保険金:保険期間中に被保険者が高度障害状態になったときに受取れるもの
  • 満期保険金:満期を迎えたときに受取れるもの(有期型の場合)

このうち死亡保険金と高度障害保険金は、契約時に定めた「基本保険金額」が最低保証されます。
仮に死亡または高度障害時に運用が不調であっても、基本保険金額は受取ることができます。
なお、死亡保険金と満期保険金は重複して受取ることはできません。 変額保険では、万一のときの基本保険金額が最低保証される

変額保険の運用の仕組み

変額保険では、保険料*1が株や債券等で運用・管理されるため、受取れる保険金等の額も、その運用実績に応じた金額となります。運用が好調で基本保険金額を上回っている場合には「基本保険金額+上回った金額」を受取ることができます。

  • *1 保険料から所定の費用が控除されます。

逆に、運用が不調で運用実績が基本保険金額を下回ることもありますが、その場合でも、死亡保険金・高度障害保険金については、契約時に定めた基本保険金額を受取れます。
なお、満期保険金には最低保証がないため、運用が不調な場合には払込保険料の累計額を下回ることがあります。

また、解約払戻金にも最低保証はありません。
解約払戻金とは、契約の途中で解約した場合に受取れるお金のことです。
契約から短期間で解約する場合は、所定の金額が「解約控除」として差引かれるため、タイミングによっては元本割れとなるリスクがあることにも注意が必要です。

ここまで変額保険の仕組みについてご説明しましたが、そもそも変額保険は定額保険とはどう違うのでしょうか?
次の章ではこれら2つのタイプの保険の違いについてご説明します。

変額保険と定額保険の違い

変額保険と定額保険の大きな違いは、保険金等の額が変動するかどうかです。
これまでご説明した変額保険とは違い、定額保険は契約時の死亡・高度障害保険金額、満期保険金額は保険会社の運用によって変動することはありません。

一方、変額保険では運用実績が保険金額等に反映されます。別の考え方をすると、変額保険は万一のときに備えながら、運用による利益も期待できるという点も違います。

変額保険の加入に向いている人、向いていない人

ここまでご説明してきた変額保険の特徴やメリット・デメリットをふまえ、どんな人が変額保険の加入に向いているのか、あるいは向いていないのかについてご説明します。

変額保険の加入に向いている人

以下の特徴に当てはまる人は、変額保険の加入に向いているといえます。

  • 資産形成をしながら保障も欲しい
  • 長期的な積立投資がしたい
  • 投資に興味があるが、忙しくて面倒に感じている等

変額保険には、保障と資産形成の両方の機能が備わっています。そのため資産形成をしたいけれど、万一の備えも確保したい人のニーズに合っています。

とはいえ、途中で解約してしまうと、タイミングによっては元本割れするリスクがあるほか、大切な保障もなくなってしまうため、長期的な積立投資をしたい人に適しています。

変額保険では、株式や投資信託を自分で選んで運用するのではなく、保険会社が用意している運用ラインナップからどれかを選択し、運用自体は保険会社に任せます。
そのため、忙しくて商品の選定や投資タイミングをはかる時間が取れない人にもよいでしょう。

変額保険の加入に向いていない人

以下の特徴に当てはまる人は、変額保険ヘの加入の前に、よく考えておきましょう。

  • 自分で積極的に投資したい
  • 短期間での資産運用をしたい
  • 元本割れのリスクを取りたくない等

資産形成をしたい人のなかには、自分で株式や投資信託を選んで投資したい人もいるでしょう。変額保険は保険会社が選んだいくつかの投資信託(特別勘定)のなかから選ぶようになるため、自分で個別に選びたい人は、自分に合っているかをよく検討することが必要です。

また前述したように、仮に運用実績がよくても、短期で解約すると解約控除によって受取れる額が運用実績よりも少なくなる可能性があります。
さらに、資産運用にはリスクが伴うものなので、その点も受入れられることが重要です。そのため、短期間での資産形成を考える人や元本割れリスクを取りたくない人は、変額保険は避けたほうがよいでしょう。

資産運用について詳しく知りたい人はこちらをご覧ください。

リンク 資産運用とは何?どうやって始める?初心者向けに基本知識・注意点をカンタン解説

迷ったときにはプロに相談するのも一つの手段

変額保険とは、運用実績に応じて受取れる保険金や解約払戻金等の額が増減する生命保険です。万一のときの備えと資産形成を同時に行えるため、死亡保障や資産形成の必要性を感じている人に合った商品といえます。
とはいえ、変額保険は定額保険とは仕組みが異なるうえに諸費用もかかるため、商品の仕組みや特徴、元本割れするリスク等を理解してから加入することが大切です。

万一のときの備えと資産形成は、どちらも個々人の目的や必要性に合わせて行うべきものです。変額保険への加入に不安があったり、迷って決められない人は保険のプロに相談してみましょう。
保険のプロなら、いつまで、どのくらいの保障を備えておくべきか、何のために資産形成をして、将来のいつ頃までにいくらためていけばよいのか等といったお悩みにもお応えできます。

  • 変額保険は国内外の株式・債券等で運用され、運用実績が死亡保険金額、満期保険金額および解約払戻金額等の増減につながるため、株価や債券価格の下落、為替の変動等によって、満期保険金額、解約払戻金額等が払込保険料の累計額を下回る場合があり、契約者に損失が生ずるおそれがあります。また、保険関係費、運用関係費、解約・減額時にかかる費用等を契約者にご負担いただきます。詳細は「契約締結前交付書面(契約概要・注意喚起情報)」等をご確認ください。
  • 記載の内容は、2024年12月現在の税制・関係法令等に基づき税務の取扱等について記載しております。今後、税務の取扱等が変わる場合もございますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。個別の税務の取扱等については(顧問)税理士や所轄の国税局・税務署等にご確認ください。
  • このページに掲載している保険商品の内容は、一般的と考えられる内容です。
    また、記事中で掲載している保険商品に関して、当社では取扱いのない保険商品もあります。
    各保険会社が取扱う保険商品の内容については、各保険会社へお問合せください。
  • 本記事は、当社からファイナンシャルプランナーに依頼し執筆いただいた原稿を、当社で編集したものです。

【執筆者プロフィール】

執筆者プロフィール画像

續 恵美子(つづき えみこ)

ファイナンシャルプランナー(CFP®、ファイナンシャル・プランニング技能士)

生命保険会社にて15年勤務したあと、ファイナンシャルプランナーとしての独立を目指して退職。その後、縁あり南フランスに移住。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。
渡仏後は2年間の自己投資期間を取り、地元の大学(Université de Toulon)で経営学修士号を取得。地元企業で約7年半の会社員生活を送ったあと、フリーランスとして念願のファイナンシャルプランナーに。生きるうえで大切な夢とお金について伝えることをミッションとして、ライフプランに関わる資産形成やローン、保険、税金等、マネーやビジネス記事の執筆・監修・家計相談等で活動中。

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